− 東北湯けむり紀行(←ありがち) −
自宅を深夜の2時半に出発し、東北道をひた走り。途中で休憩しつつ東京-埼玉-栃木-福島-山形-宮城-岩手-青森と9時間で十和田湖ICまでやってまいりました。でも2人で交代して運転したし、気分はウキウキなんで思ったより大変じゃなかった感じ。写真は十和田湖。実際はかなり広い!そしてすんごく綺麗。なんかハワイの海沿いを走ってる気分になりました。でも風が強くてとっても寒い。
本日の宿、蔦温泉を目指す。十和田湖を抜けると次は奥入瀬。奥入瀬てーと必ずこの類のビューティフルな写真ばかり見るのだけど、なんか濁流・・。雪解け時期だからかな?車の多い国道沿いで更に濁流、人もうじゃうじゃいるんで奥入瀬散策はパスしました。
今日から2泊する蔦温泉旅館。ブナの森の中にある一軒宿。
本当はこの本館に泊まりたかった。いい味出しとります。
立ち寄り湯は大賑わい。
八甲田山からの湧水。温泉のところにもあって、美味しい水を飲みながら長湯が出来るようになってます。
まずはお蕎麦で腹ごしらえ。温泉卵を食べようと思って間違えて普通のゆで卵を割ってしまった(涙)でも見かねたおばあちゃんが温泉卵を1つタダでくれました。わーい。ここは蔦温泉にある売店兼軽食処なのだけど、売ってるラインナップがすごい。目が釘付け。
チェックインまで時間があるので、蔦の森の沼巡りをした。森はまだ雪が積もってるけど、ブナは既に新芽を出してして春の訪れまであと一歩という感じ。
最初の蔦沼を過ぎると誰もいなくなった。静かなブナの森でぶーちゃんと2人。沢の水も綺麗で奥入瀬よりよっぽど素敵。
途中でコーヒーブレイク。
ブナの新芽。
カエル。ここのカエルは繁殖期以外は森の中で生活するそう。
至る所に群生してた水芭蕉。でもなんだかデカくてかわいくない・・・。
チェックインした後、近くの猿倉温泉に1人出かけるも立ち寄り湯の時間が終わっていた。残念・・・。意外とモダンな佇まいでした。
蔦温泉より少し標高が高い分、猿倉温泉の辺りはまだ道路脇に数メートルの雪。真冬はどんな景色なんでしょうか・・。
猿倉に振られたので、近くの谷地温泉に行ってみた。ここは19時まで立ち寄り湯をやっている。立ち寄りの客でごった返していて、泊まるには落ちつかなそうな雰囲気だった。お湯は硫黄の白濁。ぬるくて長湯できるお湯。
宿に戻って、今度は蔦温泉に入湯。まずは男女別の泉響の湯。天井がとても高い。蔦温泉は源泉が湯船の真下(つまり湧き出たての湯に浸かる)なので、かなり高温。無色透明のサラサラの綺麗なお湯。肌に優しく、総ヒバ(青森のヒノキ)のお風呂はとても素敵。お風呂から溢れる温泉の上でゴロリとトドのように寝転んでいると、悠久の時を感じる。至福のひと時。私があくせく働いてる時もこのお湯はコンコンと湧き出ているんだな〜なんて事をシミジミ考えてしまった。それはそうと、写真は泊まった別館への階段。のぼせた体で86段の階段を登らないと部屋に着かない。結構しんどい。深夜に女性用になった「久安の湯」にも入ったが、そちらもすごく良かった。何故か水槽があって岩魚が泳いでた。
夕食。蔦温泉の食事はとっても美味しかった。上品な感じ。取れたての山菜が美味しい。
翌日は八甲田山に登る。ロープウェーは98%が春スキーヤー。登山なんて誰もいない。山頂駅の温度計は0度。強風で体感温度はもっと低い。うぐぐ。初めてアイゼンを装着していざ出発。道が全然分からないので、雪の上を適当に直登。結構楽しい。
八甲田山て八ヶ岳と同じで八甲田山て山はないのだそうだ。ここら辺一帯の山々全てて八甲田山。人が多く入るのが南八甲田で少ないのが北八甲田。今回は最高峰の八甲田大岳を中心とした南八甲田を歩く。
赤倉岳を過ぎた辺りからものすごい強風に襲われる。体が浮きそうになる感じ。身の危険を感じてしまう程で、写真の八甲田大岳は断念して酸ヶ湯へ下山する事に。右に移ってるのは避難小屋。スキーヤーで溢れかえってました。
根元から雪解けが始まってる。生命力を感じる。は〜、新緑のこの森に戻ってきたい。
なんとか下山。酸ヶ湯に下るはずが道を逸れて城が倉温泉ホテルってとこに出てしまった。出たとこが露天風呂の前。ぶーちゃんが入浴中のおばさん達に手を振られてた(笑)写真は酸ヶ湯。酸ヶ湯はすごい!!何が凄いって、有名な混浴の千人風呂。女湯のスペースを凝視する変態軍団の巣窟!!あんな強烈(異様)なお風呂は生まれて初めて。きっとGWなので全国の覗きマニア(いや、覗きじゃない凝視だ)が集結してたに違いない。お湯は最高なのに長湯できなかった〜(怒)
翌日蔦温泉に別れを告げ、まずはぶーちゃんを送りだすべく八戸へ向かう。市街地を通るので時間がかかる。10時発の「はやて」でぶーちゃんは東京に去っていく。うー、これから1人旅じゃー。
また八甲田方面に戻り田代平湿原を目指す。うおー、「山屋」だって。左折しそうになる。
晴れててめちゃくちゃ快適なドライブ。しかし田代平湿原に着いてみると強風で激寒。湿原を散策する予定が即座に萎えて予定変更。そもそも次ぎの宿へ向かわないと日が暮れる予感。
途中で「雪中行軍遭難の地」の看板を見つけて立ち寄る。新田次郎の「八甲田山死の彷徨」を読んだ事あるので、ちょっと興味深し。しかし仮死状態で見つかった後藤伍長の像があるハズなのに見当たらない。もしや雪の下??資料館にも立ち寄ってみた。
そこから70キロ離れた碇ヶ関温泉に向かう。今夜の宿は温泉マニアの間では有名な古遠部温泉。林道の奥にひっそり佇む一軒宿。しかし鄙び系というよりはボロ家?しぶい!しかし噂にたがわず車がいっぱい泊まっている。日帰りの人達で賑わっていた。
ボロいが部屋は至って清潔。そして蒲団が既にひいてあるのが最高。シーツもパリッとしてて気持ちよい。早速ゴロゴロ。つげ義春なムードなり。
カランも何もないお風呂。しかし湯は上質。鉄の匂いが充満してる。効きそう。湯船から溢れるお湯の量がすごい。桶が流されてしまうほど。ここでも溢れるお湯の上でトドになる。至福。そして同じく1人で泊まってる女性2人や、オバサンの軍団と仲良くなり暫し温泉談義に花が咲く。若い女性は東京から来ていて、明日は恐山に行くらしい。もう1人のオバサンが車に同乗させてあげることになる。1人旅ならではの旅情なり〜。ロマンスないけど。
次の日に立ち寄った「日景温泉」。ここは湯治宿の面影濃くて鄙びマニアとしてはかなり気に入った。お湯も独特で素晴らしい。アトピーによく効くらしく、湯治の多くはアトピー患者。私も肌激弱のアトピー持ちなんで、是非とも湯治したい。
薪ストーブのある味わいあるロビー。暫し仮眠した。
東京まで直行は厳しいので、岩手で一度高速を降りる。本当は花巻か鳴子に行きたかったのだけど、温泉パスポート(温泉雑誌についてた無料で立ち寄りできる小冊子)を使いたく時間の制限から岩手しかチョイスがなかった。つなぎ温泉の「湖山荘」という宿に立ち寄り湯。強アルカリ性でトロミのある湯。でもなんだかこ綺麗で箱根あたりの温泉みたい。DEEPな温泉巡りをしてきた後ではなんとなく物足りない感じ。でも湖と岩手山が見えるなかなかよい場所にあります。(この日は曇りで岩手山はみえず)。この後一眠りして東京に1人運転して戻りました。ヘビーで死ぬかとおもった!